プーチン政権の批判を続けたロシアの反体制派の指導者ナワリヌイ氏は、ことし2月、ロシアの北極圏にある刑務所で死亡し、政権側は死因について自然死だと発表しました。
ロシアの調査報道サイト「インサイダ-」は9月29日、捜査当局の文書を独自に入手したとして、ナワリヌイ氏が死亡した経緯などについて報じました。
それによりますと、当初、文書にはナワリヌイ氏の健康状態が急激に悪化し、腹痛を訴えおう吐し、けいれんしたことなどが医療スタッフに報告されたと記載されていたものの、こうした内容はすべて削除されたということです。
そして、2020年に毒殺未遂事件の被害に遭ったナワリヌイ氏を治療したロシア人の医師らが、腹痛とけいれんが起きる間隔が短かったことなどの症状から「毒物の混入以外で説明することは難しい」と指摘しているとしています。
ナワリヌイ氏の死因をめぐっては、ナワリヌイ氏の妻が政権が毒殺に関与したとして強く非難した一方、ウクライナ国防省の情報機関のトップは、血栓と呼ばれる血の塊によるもので、殺害されたという見方を否定していました。